東ティモールで2017年9月15日、東ティモール独立革命戦線(フレティリン)のマリ・アルカティリ書記長が首相に就任した。アルカティリは1949年生まれ。国民の90%以上がカトリックの同国では少数派のイスラム教徒で、2002年の独立から06年まで初代首相を務めた(→「東ティモール民主共和国」)。17年7月の総選挙で、改選前は第2党だったフレティリンは、第1党の東ティモール再建国民会議(CNRT)に1議席差で勝利したが、定数65議席の過半数は獲得できなかった。改選前まで両党は事実上の大連立を組んでおり、新政権でも連立を協議したが物別れに終わり、少数与党でのスタートになった。その後、野党との対立で国会が空転、18年1月にはフランシスコ・グテレス(通称ルオロ)大統領が議会を解散して、5月に再び総選挙を実施することとなった。東ティモールは独立以来、ASEAN加盟を目指しており、アルカティリ首相もASEAN創設50周年となる16年の加盟を目指していたが、独立以来安定しない国内政治などを理由に見送りになっている。