2005年12月にクアラルンプールで開催された東アジアサミットに参加することで、インドは、「東アジア」の一員としての存在をアピールした。インドの参加は、中国の主導権を警戒した日本などが強く推した面もあるが、1990年代初頭以降のASEAN(東南アジア諸国連合)との関係緊密化の成果でもある。インドで「ルック・イースト」政策とは対ASEAN関係の強化を意味する。2002年11月、ASEANとインドの初の首脳会談が実現した。03年には東南アジア友好協力条約(TAC)にも参加した。04年6月にはパキスタンもARF(ASEAN地域フォーラム)に参加を果たし、南アジアとASEANとの関係が前進した。インド以東のアジア地域との貿易額は、インドの貿易総額の約2割(07年は380億ドル)に達している。03年から開始されたインド・ASEAN自由貿易協定交渉は、パームオイルなど一部品目の関税引き下げ率をめぐる対立をへて、09年8月にサービス貿易や投資分野を除いて妥結し、10年1月に発効した。12年にはASEAN・インド首脳会議が初めてインドで開催された。