党綱領によれば、BJPはインドの古代文化や価値に源泉を求めつつ、現代的かつ強力で繁栄した国家の建設を目的とする政党である。またヒンドゥー哲学を現代的に解釈した「普遍的人間主義」を党の基本哲学とする。ここから、同党はしばしば「ヒンドゥー・ナショナリスト政党」と称される。同党の前身はインド大衆連盟(1951~77)であったが人民党(ジャナタ党)に融合。人民党分裂後、1980年にBJPを創設。党員数は公称2000万人。党幹部の多くは同時にヒンドゥー社会の再生、組織化を目指す民族義勇団(RSS ; Rashtriya Swayamsevak Sangh)の幹部である。98年、99年の国民民主連合(NDA)政権結成時には、BJPはラーマ寺院建設、統一民法典制定、カシミールの特別な地位を規定した憲法第370条の撤廃などイスラム教徒の反発を招く党の独自政策を取り下げた。しかし、2002年12月のグジャラート州議会選挙では、露骨な反イスラム教徒宣伝を前面に出すなど、ヒンドゥー至上主義(ヒンドゥトヴァ)への傾斜も強い。BJPは連合政策とヒンドゥー至上主義の独自路線を、状況に応じて使い分けている。しかし、04年、09年と連邦下院選挙で続けて会議派に敗れたことは、党勢の衰えを示している。組織的にはインド人民連盟結成以来の老幹部であるA・B・バジパイやL・K・アドヴァーニに代わる中堅幹部による指導体制の確立が課題となっている。