2002年10月の連邦下院議会および4州議会選挙で大躍進を見せた、イスラム6政党による統一戦線組織。連邦下院議会では第3の勢力となり、北西辺境州議会では単独で州政府を樹立、バローチスタン州でも州政府の一翼を担っている。これまでイスラム政党は議会勢力としては少数で、議会外大衆運動を中心とした活動をしてきたが、この選挙での躍進で議会活動にその軸足を移した。MMAの中心勢力はイスラム協会(Jamaat-e-Islami)で、この組織は1980年代以降のアフガニスタン戦争に深く関与する中で勢力を伸ばし、アフガン難民のためのイスラム神学校でタリバンを育成、三軍統合情報部(ISI ; Inter-Services-Intelligence)とともに、その活動を支援してきた。カシミール紛争でも、ISIに協力してアーザード・ジャンム・カシミールのイスラム過激派を支援してきた組織である。MMAは反米、反インドでムシャラフ政権の政治外交路線には批判的であり、ムシャラフ大統領の再選にも反対の立場を表明している。08年2月の国民議会選挙では、MMAは選挙参加をめぐって分裂し、勢力を大きく後退させた。