中国の農民革命をモデルに、農民の武装蜂起により都市を包囲して権力を奪取する革命理論を信奉するインドの極左政治運動の総称。1967年5月に、「インド共産党(マルクス主義)」傘下の農民組織による反地主闘争が発生した西ベンガル州ナクサルバリ地区の名が起源。当時の中国はこの闘争を「インドの春雷」と賛美した。武装闘争を主張して同党を離れた活動家は69年5月に「インド共産党(マルクス・レーニン主義)」(CPI-ML)を創設した。主要な地盤は西ベンガル、ビハールおよびアーンドラ・プラデシュ州であった。「階級敵の抹殺」という過激な路線のもとでの弾圧と内部分裂を経験し、CPI-MLは「解放派(リベレーション)」と「人民戦争派(PW)」などに分裂した。2004年9月には後者とインド毛沢東主義共産主義者センター(MCCI)が合同して「インド共産党毛沢東主義派」(CPI-Maoist)が結成された。CPI-ML(解放派)は、ビハール州を中心に農業労働者などを組織化して、地主の私兵団と流血の武力衝突をくり返す一方、1980年代以降は、州・連邦議会選挙にも参加している。