オセアニア島しょ国・地域の経済停滞の原因は多い。例えば、(1)島しょ国の多くの地場産業は一次産品依存型で、国際市場価格に影響されやすく、低品質で競争力が脆弱、(2)失業防止と雇用維持のために行政部門が肥大化・硬直化、(3)独立後間もないため行政・ビジネス面で人材・経験が不足、(4)優秀な人材ほど海外移住する傾向が強い、(5)国際市場からの地理的隔絶と運輸・通信基盤の不備、などがある。旧宗主国の援助や、先進諸国への出稼ぎ労働者の本国送金に大きく依存している。西太平洋諸国の陸地面積は比較的大きく、パプアニューギニアの金、銅、ニューカレドニアのニッケル、かつてのナウルのリンのように地下資源に富み、相対的に土地生産性が高い地域もあるが、中部太平洋のミクロネシアとポリネシアの火山島やサンゴ礁島の多くは土地生産性が低く、地質的にも不利である。(→「MIRAB国家」)