太平洋諸島フォーラム(PIF)に代わる、オセアニア地域協力の機構。伝統的な援助国の日本、EU、オーストラリア、ニュージーランドに加え、近年では中国、ロシア、インド、インドネシア、イランなどが援助国として登場していることから、「島国主導」を掲げるフィジーのジョサイア・ヴォレンゲ・バイニマラマ首相の推進で2013年に設立された。創設メンバーはフィジー、パプアニューギニア、トンガ、キリバスなど17カ国・地域。さらに中国、ロシア、トルコ、クウェートなど6カ国が「開発パートナー国」となっている。オセアニア島しょ国にとって深刻な問題である温暖化対策を検討する、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)でも活動し、温暖化による気温上昇を工業化以前に比べて2℃未満に抑えるという長期目標を「不十分」としたうえで、パリのCOP21では目標を1.5℃未満に変更するよう訴えた。日本国内では、太平洋島しょ国援助の枠組みとアクターが多様化・複雑化していくなかで中国の存在感が拡大し、日本の存在感を維持することが難しくなっているとの懸念も広がっている。