2017年10月のトヨタ自動車オーストラリア社、ゼネラルモータース(GM)傘下のホールデン社による相次ぐ自動車工場の閉鎖。これにより1913年から続くオーストラリア国内での自動車産業はすべて終了した。ビクトリア州メルボルン郊外にあるトヨタ自動車オーストラリア社のアルトナ工場では2500人、ホールデン社のアデレード工場では944人が失職している。オーストラリアでは、かつての国産車メーカーであったホールデン社を除くと、日産、三菱、トヨタの日系企業、フォード、GM、クライスラーの日米の多国籍企業が自動車生産をしており、そのうちフォード、GMホールデン、トヨタのみが14年の日本・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)の締結まで工場を維持していた。しかしアジア諸国とのEPA協定やFTAが拡大するにつれ、今後の経営は難しいとして次々と撤退していった。