就任後初めてロシアを訪問したオバマ大統領は2009年7月6日、メドベージェフ大統領と会談、同年12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる後継条約の締結に向けて合意し、両首脳は10年4月、チェコのプラハで新戦略兵器削減条約(新START)に調印、両国が批准書を交換し11年2月に発効した。新条約は、7年以内に両国が配備する戦略核弾頭数の上限を1550発に削減、弾道ミサイルや戦略爆撃機など核弾頭の運搬手段は総数の上限を800と設定、互いの配備状況も査察するとしている。条約の有効期限は10年間で、最大5年間の延長が可能。戦略核弾頭数を6000発以下、運搬手段を1600以下と定めたSTART1(1991年調印、94年発効)と比べると、弾頭数はほぼ4分の1に削減、運搬手段は半減する。2002年に調印(03年発効)された戦略攻撃力削減条約(モスクワ条約)では、12年末までに戦略核弾頭を1700~2200個に削減することが合意されたが、検証の規定がなく、核弾頭の運搬手段も削減対象になっていないためSTART1の後継条約が求められていた。アメリカ上院(定数100)は10年12月、新条約の批准を賛成71、反対26の賛成多数で承認。一方、ロシア上下両院も11年1月までに批准法案を承認した。その結果、同年2月5日、ドイツのミュンヘンでアメリカのクリントン国務長官とロシアのラブロフ外相の間で批准書が交換され、新条約は発効した。