新自由主義のこと。ラテンアメリカでは1980年代以降、シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の理論に基づく「小さな政府」や「自由競争原理」を至上とする政策がほぼすべての諸国に広がった。経済的には、従来の保護主義経済政策を転換し、貿易自由化、外資規制緩和、公営企業の民営化等いわゆる構造調整政策がとられた。チリのピノチェト軍事政権(73~90年)は新自由主義の優等生といわれ、完璧な自由主義経済化を推進した。これにより、ラテンアメリカ諸国では、一方では輸出向けの農業や工業が発展したが、他方では伝統的な農業や工業の衰退、多国籍企業による経済支配、失業者や貧困層の膨張、所得格差の拡大などが進んだ。