パナマ運河と運河地帯(運河両側各10マイル)は1914年の運河完成以来、アメリカの管理・運営下におかれていたが、77年の新運河条約(カーター・トリホス条約)によりパナマに全面返還された。同時に運河地帯の米軍基地も撤退した。パナマ運河は世界の海上輸送量の4%が通過する。船舶の大型化にともない運河の拡張が必要となり、2006年10月の国民投票(約78%が支持)を経て、拡張工事は07年に始まった。完成は14年の予定。現行の運河沿いに新水路と一対の新閘門(こうもん)を建設するもので、総工費約52億5000万ドルは運河通行料の段階的値上げでまかなう。工事が完成すれば通航の渋滞が避けられるほか、中型石油タンカーや液化天然ガス船の通航も可能になる。これまで喜望峰回りで行われていた中南米諸国から日本への石油供給なども大幅に時間が短縮される。