1948年にコロンビアの首都ボゴタで調印された米州機構憲章(ボゴタ憲章)に基づき、域内平和、民主主義促進、加盟国の発展などを目指して51年に発足した地域的国際機構。2015年1月現在、加盟国はアメリカ、カナダ、および33の中南米諸国(すなわち、米州の全独立国)からなる。本部は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.におかれる。最高意思決定機関は各加盟国が代表権を有する総会で、理事会、外相協議会の他、主な機関として米州人権委員会や米州法律委員会を擁する。冷戦終結と域内諸国の民主化に伴い、米州機構が民主主義の擁護および促進に果たす役割は強化された。そのための主要な柱は、決議1080(1991年採択)、ワシントン議定書(92年採択)、そして米州民主主義憲章(2001年採択)であり、加盟国の民主主義の危機に際して米州機構がとりうる対応や制裁措置が定められている。また、米州機構の役割として、米州人権宣言(1948年採択)と米州人権条約(78年発効)を主軸とする地域的人権保障システムへの寄与も大きい。米州人権委員会と米州人権裁判所は、国内の法制度で被害者救済の手段が尽くされた人権侵害事件について、国家に対する勧告や人権侵害の有無の認定などを行う。