プーチンが2008~12年に首相を務めたあと、12年5月7日に再びロシア大統領に返り咲くことが確実視されるようになったこと。11年9月24日の政権与党「統一ロシア」党大会の席上、メドベージェフ大統領が12年3月4日のロシア大統領選の候補者として提案し、プーチン首相は同提案を受諾した。他に有力な対抗馬がなく、現ロシアの選挙ではメディアの利用その他で与党候補が圧倒的に有利なので、プーチンの当選はよほどの想定外の事件が発生しない限り、確実視される。同首相は、当選の暁にはメドベージェフを首相に指名すると述べた。もしこのシナリオ通りにことが進めば、2人の指導者は役割を交換することになり、表向きはタンデム体制の続行のように映る。だが、実質的にはプーチンが名実ともにロシア政治のナンバー1になり、その意味ではタンデム体制は終焉(しゅうえん)を迎える。ロシア憲法の改正(→「大統領任期の延長」)によって、大統領任期が4年でなく6年となったので、プーチンは少なくとも18年まで、そしておそらくさらにもう1期(24年まで)ロシア大統領ポストにとどまるかもしれない。