1992年以降、中欧の旧社会主義諸国が加盟した自由貿易協定(FTA)。89年の東欧革命で社会主義政権が次々倒れる中、ポーランド、チェコスロバキア(当時)、ハンガリーは旧ソ連軍の撤退などを巡る安全保障問題で次第に結束するようになり、91年に首脳会談が行われたハンガリーの古都の名から「ビシェグラード諸国」(→「ビシェグラード地域協力」)と呼ばれるようになった。翌92年末、3国は段階的な関税の撤廃をはじめ、さまざまな貿易障壁を取り除き、域内の自由な貿易環境を確立するために同協定を結んだ(94年施行)。93年にチェコとスロバキアが分離して4カ国協定となり、96年にはスロベニアも加わった。その後中・東欧11カ国も加盟するが、99年にポーランド、チェコ、ハンガリーが、2004年までにはスロバキア、スロベニアもEU(欧州連合)正式加盟を果たして脱退。07年にはルーマニア、ブルガリア、13年にはクロアチアも同様にして脱退し、以降はこれらを除くバルカン諸国が残った。これらバルカン諸国もEU加盟を希望しているので、現在のCEFTAの位置づけは、EU加盟の前段階の協定といえるだろう。