アフガニスタンにおける治安回復と復興を支援するため、国連の委任を受け、北大西洋条約機構(NATO)が指揮をとる平和維持部隊。2001年12月のアフガニスタン復興会議(ボン)で同国暫定政権を支援するために創設され、国連安全保障理事会(安保理)決議1386(01年)で国連の委任を受けている。イギリスなどによる半年ごとの指揮権行使後、03年8月にNATOに指揮権が移譲された。NATOにとっては欧州大西洋地域外で初めての平和支援ミッションである。12年12月現在で、部隊参加国はNATO加盟国(28カ国)とそれ以外の22カ国、計50カ国で、総兵員数は約10万2052人。うちアメリカ軍は6万8000人。当初ISAFの任務の目的はパトロール活動を通して、カブールとその周辺の安全を維持することとされたが、06年10月までにはその活動はアフガニスタン全土をカバーすることになった。タリバンの攻勢が続くなか、08年末までにアメリカは駐留軍増派の要求を強めた。09年、撤退を視野に3万人の増派を決めたオバマ政権の要請に応じて、消極的な構えであったNATOヨーロッパ加盟国も、同年末、7000人の増派を決定している。しかし、他方で厭戦(えんせん)気分の広がりは抑えられず、12年5月、NATOは14年末までにISAF任務を完了することを正式に決定した。