大西洋からウラルまでの地域を対象として、奇襲攻撃や大規模攻撃に必要とされる主要兵器(戦車、火砲など5種類)の保有上限を設定、それを超える兵器の削減を決めた条約。現調印国は30カ国。もともと北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構(1991年解散)というブロック間で90年11月に調印された。92年11月に発効したものの、ソ連崩壊など、ヨーロッパ情勢の変化を受け、種々の更新作業が行われてきた。99年11月の欧州安全保障協力機構(OSCE)イスタンブール首脳会議では、条約のブロック別制限を廃止し、国別設定とするCFE条約適合化合意(the Adapted Treaty)と最終文書が調印されている。しかし、アメリカなどは同首脳会議で合意された駐留ロシア軍のモルドバおよびグルジアからの撤退を批准の条件だとしており、条約はいまだ発効に至っていない。他方、ロシアはバルト諸国のCFE条約加盟を主張しているが、同諸国も加盟は適合化条約発効後だとしている。こうした中、アメリカのミサイル防衛システムの欧州配備計画(当時)に反発したこともあり、ロシアは2007年12月以降、条約の履行を凍結している。