2013年3月13日、アルゼンチンの枢機卿ホルヘ・マリオ・ベルゴリオが、ローマ・カトリック教会の首長であり、バチカン市国の元首でもある新ローマ法王に選出された。266代法王はフランシスコを名乗る。前法王ベネディクト16世は高齢と体力の衰えを理由に2月に退位した。存命中の退位は約600年ぶりと言われる。背景には聖職者による児童虐待や、資金洗浄疑惑などのスキャンダル、避妊具の使用を認めない保守的姿勢など、各方面からの批判の高まりが影響したのではないかとも言われる。法王選挙会(コンクラーベ)を経て選出されたのは、現在信者数で最大を誇る中南米出身者となったが、これは史上初のことである。新法王フランシスコは「貧しい人のための教会を目指す」と述べ、就任後早々に、各種改革への意欲を見せている。中でも、世界中からバチカンに寄せられた資金を管理・運用するバチカン銀行については、その運営透明化を図るために、外部委員を含めた調査委員会を設置した。また、未成年者に対する性的虐待や買春、児童ポルノ所持を明確に犯罪と位置付ける刑法の改正を発表している。