反EU、移民排斥をスローガンに掲げる極右政党で、ジャン=マリ・ルペンが1972年に創設。2011年から党首の座を三女のマリーヌ・ルペンに譲るが、その後も党勢は拡大の一途をたどる。その過激な主張から政治的影響力はほとんど無視されてきたが、02年の大統領選挙でルペンが決選投票に残るという躍進を見せ、12年4月の大統領選挙では、党首マリーヌが党史上最高の17.9%の得票率を記録。翌6月の総選挙でも、ジャン=マリ前党首の孫娘マリオン・マレシャル・ルペンが史上最年少の22歳で当選するなど、14年ぶりに下院議席を2議席獲得した。さらに、反EUを標榜して臨んだ14年の欧州議会選挙でも、25%の得票率で24議席を獲得した。ただ、党内の内紛が絶えず、父親のジャン=マリ前党首が反ユダヤ発言をエスカレートさせたことから、15年に党から除名された。しかし、移民・難民問題に危機感と不満を募らせる世論の支持はますます高まる勢いにある。17年4~5月に予定されている大統領選挙で、マリーヌ党首がどこまで得票率を伸ばせるか、EU統合の行方とも絡むだけに注目されている。