2015年12月31日から翌年1月1日にかけてケルン中央駅とケルン大聖堂前広場で発生したレイプを含む性的暴行事件。アラブ系、北アフリカ系の男たち約1000人が、ドイツ人女性に対して起こした。ほかにも群衆に花火を打ち込んだり、強盗などの犯行も行い、届け出のあった被害は516件に及んだ。同じころ、ドイツ国内ではほかにハンブルク、デュッセルドルフ、フランクフルト、シュツットガルトなど、他国でもオーストリア、フィンランド、スイス、スウェーデンで同様の事件が起きていたことが発覚。当局が事件発生後数日間、事件を公表しなかったことから国民の非難が殺到し、メルケル政権(→「第2次メルケル政権」)の難民受け入れ政策への批判に油を注ぐ結果となった。この事件を転機にメルケル政権は15年だけで110万人を超える難民(のち89万人に下方修正)の急増に対処を余儀なくされ、一転して難民規制の方向に政策を転換させることとなった。