日本の対イラク人道・復興支援と開発支援の動き。日本はイラクでの緊急人道支援を行う目的で自衛隊の派遣を決定した。派遣に当たり、国連の安保理決議1483(2003年5月)を踏まえたイラク特措法(同年7月)、さらに決議1511(同10月)も踏まえた基本計画(同12月)を策定している。03年12月航空自衛隊、04年1月に陸上自衛隊に派遣命令が出され、イラクでの支援活動が展開された。主要な支援活動は、ムサンナ州サマワ周辺で実施され、陸自隊員(実績5500人)によって給水、浄水、診療・治療技術指導、薬品供与などの人道支援に加え、学校、病院などの公共施設131カ所の復興支援を実施した。この間、延べ約49万人のイラク人を雇用した。この陸自の支援活動は06年7月の全面撤収で終了した。また、空自はクウェートを拠点とし、イラク南部への空輸任務を、06年9月よりバグダッド空港や北部地域にまで広げ、活動を展開し、08年12月に任務を終了した。日本の対イラク支援金は07年3月に15億ドルの無償支援、最大35億ドルの有償資金協力を表明し、実施している。また、イラク・コンパクト(→「イラク安定化会議」)にも積極的に関与し、07年2月には1億ドルの新規無償資金協力を決定した。