2007年3月にサウジアラビアのリヤドで開催されたアラブ連盟首脳会議で再確認され、イスラエルに提示された中東和平提案。同提案は02年にベイルートで開催されたアラブ首脳会議で、当時皇太子であったサウジのアブドラ国王により発案され、採択された。主要な内容は、イスラエルに対しては、(1)1967年戦争以降に占領した土地からの撤退、(2)国連総会決議194に基づくパレスチナ難民の帰還権の承認、(3)東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設の承認、などが求められている。これが履行された場合、アラブ側は、(1)イスラエルとの和平合意による安全保障の提供、(2)イスラエルとの関係正常化などを履行する、としている。2007年4月のアラブ和平イニシアチブ閣僚委員会会合に基づき、同年7月、エジプトとヨルダンの外相がイスラエルを訪問し、同提案を提示した。イスラエル側からは、これを受け、パレスチナ国家樹立の機会ととらえて対応する旨の積極的な発言があった。中東和平交渉において同提案と、イスラエル・パレスチナの直接交渉が動き出したことで、07年11月のアナポリス中東和平国際会議にもつながったが、08年はパレスチナ内紛の調整でアラブ穏健諸国が尽力したものの、和平交渉の進展までの成果を上げることができなかった。なお、08年12月から09年1月に発生したイスラエルとハマスの武力衝突の対応をめぐりアラブ諸国が分裂し、カタールは同提案を無効としてイスラエルと関係を断絶した。