アラブ諸国間の関係強化、独立および主権の擁護、統一強化および共同利益のための政策と活動を調整する地域機構。1945年設立。本部はカイロにある。原加盟国は、イラク、シリア、レバノン、トランスヨルダン(現ヨルダン)、サウジアラビア、イエメン、エジプトの7カ国で、現加盟国はPLOを含めて22カ国。最高意思決定機関はアラブ首脳会議で、下部組織として、加盟国代表から構成される理事会、そのほか16の常任委員会がある。イスラエル・ボイコット事務局(通称アラブ・ボイコット、本部ダマスカス)はよく知られている。近年の主な活動では、2000年11月の首脳会議でパレスチナ支援、01年10月の総会では国際テロを非難と、統一見解を打ち出している。また、加盟国の主権侵害が起きた03年のイラク戦争、06年のイスラエルのレバノン攻撃でも、厳しい非難声明を出している。中東和平問題では「アラブ和平イニシアチブ」を出し、和平提案が実施されればイスラエルと加盟国との外交関係正常化を図るとの提案を行っている。08年12月からのガザ紛争ではイスラエルを非難する一方、ムスリム同胞団系のパレスチナのハマス支援について意見対立が生じ、紛争解決を導き出せなかった。