エジプトで2007年3月に憲法修正の是非を問う国民投票が実施され、承認された問題。エジプトでは有権者3500万人による国民投票が実施され、投票率27.1%、うち75.9%の賛成を得て憲法修正が承認された。この投票率は05年の54%に比して低調であった。それは、キファーヤ運動やムスリム同胞団系などの野党勢力などがボイコットを呼びかけた成果との見方もある。ボイコットの理由として、(1)国民投票の公正を保証するものが何もない、(2)改正内容に問題がある、などが挙げられた。改正内容では、(1)宗教をベースとする政治活動の禁止、(2)選挙法の改定、(3)テロ対策特別権限の強化、が注目された。特にテロ対策法は、治安機関に拘束、家宅捜査、電話盗聴の権限を付与する道が開けるため、市民団体らは強い反対を表明していた。このため、ライス米国務長官(当時)を含め、国際社会の一部からは、同修正案が人権問題を発生する懸念があると表明された。