イスラエルと平和共存できるパレスチナ国家樹立を目標に、その方法を提示したもの。2003年4月にアメリカ国務省が原案を作成し、アメリカ、ロシア、欧州連合(EU)、国連からなる会合(カルテット会合)により修正され、イスラエル、パレスチナ双方に提示された。内容は3段階のアプローチになっており、第1段階は暴力的報復合戦の終結、第2段階は暫定的国境線の線引き、国際会議の開催、第3段階は最終地位交渉、と定めている。パレスチナとイスラエルはこれを承認したが、イスラエル側は15の留保点を付けた。そのうち重要な点は、(1)テロ組織の解体、(2)パレスチナ難民のイスラエルへの帰還権の放棄、(3)国連安保理決議242、338以外の言及の排除、などである。06年のパレスチナ自治評議会選挙でのハマスの勝利で、パレスチナ側は分裂状態となり、行程表は意味のないものと化している。