国際テロ組織のアルカイダと関係が深く、イエメン、サウジアラビアで活動するイスラム過激派武装グループ。アメリカ国務省は2009年12月に同グループをテロ組織に指定した。アラビア半島のアルカイダは03年5月にサウジアラビアのリヤドでのテロ事件、04年のヤンブーの石油施設への攻撃、同年のアルコバルでのテロ事件などで犯行組織として注目された。その後、サウジ政府の治安対策によって同グループはイエメンに拠点を移し、06年にイエメンの刑務所を脱獄した人物やキューバのグアンタナモ収容所からサウジアラビアに送還された人物を核に、サウジ、イエメン政府の打倒などを目的として09年1月に新生組織を結成した。新生組織の指導者としてナセル・アブドル・ウハイシ、副指導者としては元グアンタナモ拘束者のサイド・アリ・ジャービルの名が挙がっており、いずれもアフガニスタンでの戦闘経験者といわれている。イエメン外での活動としては、09年10月サウジでムハンマド・ビン・ナイフ治安機関責任者(ナイフ内相の息子)の暗殺未遂事件が挙げられる。また、同年12月のアメリカのノースウエスト航空自爆テロ未遂事件でも犯行声明を出している。アメリカはイエメン政府への武器支援や捜査情報を提供するなど同政府による治安強化を図っている。なお、一説によると、同組織はイエメン国内で米英国籍のイスラム教徒に訓練をしているとの報道がある。