イエメン紛争の当事者である勢力(→「イエメン内紛」)。イスラム教シーア派の一派であるザイド派といわれる。フス派、ホーシー派などとも呼ばれる。2004年にイエメン政府側に暗殺されたフセイン・バドルッディーン・フーシー師に従う武装集団。フーシー派の名前が知られるようになったのは、イエメン内戦が激化する過程で武装勢力として活発に活動するようになってからである。2010年にチュニジアから中東に広がった民主化運動「アラブの春」はイエメンにも波及し、11年以降、サレハ大統領(当時)による独裁体制に対する不満が表面化した。フーシー派は、サアダ県を占領して拠点とした後、13年から南部に勢力を伸ばし、14年9月首都サヌアに侵攻した。この間、フーシー派は宿敵であったはずのサレハ元大統領派(12年退陣)と連合し、サレハの後に選出されたハーディー暫定大統領派と対立している。イエメンでは、どの勢力も国内を平定する力が持てず、複数の勢力間による抗争が継続している。フーシー派は、シーア派系であるため、イランからの軍事支援を受けているとしてサウジアラビアなどが警戒している。宗教勢力としての実態や系譜などについてはあまり詳しいことはわかっていない。