公立学校の選択肢を拡大するために設置された多様なタイプの学校の総称。1970年代にアメリカで親の教育期待と子どものニーズの多様化を背景に広まった。学年制、一斉授業、画一的カリキュラムなどを特徴とする伝統的な学校に対して、それらの点で独自の教育理念に基づいた新しい教育実践を目指すものが多い。子どもの自由と自主性を重視するフリー・スクール、教室と時間割の壁を取り払ったオープン・スクール(教室の壁を取り払い多目的スペースなどを設けたオープン・スペース・スクールを含む)、人種統合や公立学校の質の向上を目的に設立された多様なマグネット・スクール(カリキュラムや教授法を魅力あるものにして多様な生徒を広い地域から磁石で引き付けるように集める学校)、教育目標・学校運営等に関して教育委員会との間で契約書簡を交わし、学校設置・運営の認可(charter)を得て教師や親などが設立し、公費で運営されるチャーター・スクールもこれに含まれる。チャーター・スクールは91年のミネソタ州に始まり、全米40州とコロンビア区でチャーター・スクール法(CS法)が制定され、2009年には学校数は4694校(公立学校の4.8%)、生徒数は約143万人(公立学校在学者の2.9%)となっている。大半のCS法は設置地区の人種構成等に照らして差別的とならないようにする規定を設けているが、それでも、小規模校や、貧困地区、人種的偏りの見られる地区の学校が多く、教育機会差別化の基盤になっているという批判や、学校経営の安定性に欠けるといった批判がある(→「地域運営学校」)。