国際化・グローバル化の進展を背景に英語教育の改善・充実が進んでいる。公立中・高校で英会話指導を行うネイティブスピーカーの外国語指導助手(ALT ; Assistant Language Teacher、当初、AET ; Assistant English Teacher)が1987年から導入され、各地の学校で指導にあたっている。日本人教師とのチーム・ティーチング(TT ; Team Teaching)を通じてコミュニケーション能力の育成や異文化体験の充実に寄与している。入試で英語のリスニングを課す大学も増加している。2002年度からの学習指導要領では小学校で外国語教育(英語教育)を特別活動及び「総合的な学習の時間」に行うことが可能となり、また英語検定等の技能審査の成果を高校の単位として認定する制度もスタートした。さらに08年の学習指導要領の改訂により11年4月から、小学校5年、6年で外国語活動(英語活動)が年35時間導入されることになった。もう一方で文部科学省は、有識者からの意見聴取および02年6月の閣議決定「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」を踏まえ、03年3月に「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」を策定し、「中学校・高等学校を卒業したら英語でコミュニケーションができる」「大学を卒業したら仕事で英語が使える」という目標を掲げ、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(英語教育重点校)の指定(09年に事業終了、延べ166件169校にて実施)、英語教員採用選考における英語コミュニケーション能力の重視、ALTの活用促進(勤務年限最大5年に拡大と優れたALTの正規教員への採用)、高校生留学の促進、大学入試センター試験でのリスニングテストの導入(06年度より)や英検、TOEFL、TOIECなどの活用促進、小学校での英会話活動の推進など、種々の施策を進めている。