1890年に明治天皇の勅語として発布されたものであり、第二次世界大戦前の日本の道徳教育の根幹をなした文書。正確には、「教育ニ関スル勅語」という。教育勅語の中身は、総じて道徳教育の主張である。「親孝行」などの「道徳」を尊重するような意見を、天皇が国民に語りかけるという形式が取られることで、天皇制を軸とする戦前の体制を隅々にまで浸透させ、軍国主義を支えることになった。なお、第二次世界大戦後、教育勅語は廃止されたが、近年、道徳の教科化など、ふたたび戦前の日本同様に、教育を美化しつつ個人を国家が管理するという傾向が強まっている。