女性学に対応する形で生まれた、男性が男性であるがゆえに抱える「男性問題」について研究する学問。1960年代アメリカの第2波フェミニズムの影響を受けて、73年カリフォルニア州「バークリー・メンズセンター」で最初の男性運動が起こり、80年代に男性学が始まった。日本では91年関西で「メンズ・リブ研究会」が発足。男性に強要されてきた「男らしさ」の縛りからの解放を願い、自分らしく生きられる平等な社会の実現を目指した。90年代初めから各地の大学や社会教育施設で男性学・男性問題講座が開講されている。95年には大阪でメンズセンターが立ち上がり、男性のための電話相談「『男』悩みのホットライン」を開設した。中高年男性の自殺、過労死、定年離婚等、深刻な問題は多く、最近では、全国の男女共同参画センター等に男性専用の相談窓口が設けられ、電話相談、面接相談などが行われている。相談内容は夫婦関係、DV問題のほか、仕事、性の悩み、セクハラなど多様。96年には男性解放運動の全国組織「メンズ・リブ」が旗揚げし、「男のフェスティバル」を京都で初めて開催した。