多様な女性の生き方を総合的に支援する拠点となる施設をいう。1977年に文部省(当時)が埼玉県に国立女性(旧・婦人)教育会館を創設したのをはじめとし、76~85年の「国連婦人の10年」以降、女性施策を展開する拠点として都道府県、市区などが設置し、「女性問題の解決」「女性の地位の向上」「女性の社会参画」を目的とし、女性の自立、エンパワーメントのための学習や研修事業を実施してきた。99年に男女共同参画社会基本法が施行されてからは、男女共同参画(推進)センターと名称を変える施設が増加し、近年では男性対象の講座事業や相談事業を実施、男性利用者も増加している。「配偶者暴力相談支援センター」に指定されている施設や、配偶者からの暴力専門の相談窓口を設置している施設もある。男女共同参画センター、女性センター、女性教育会館、婦人の家などをまとめて「女性施設」と呼ぶこともある。女性施設には公設の施設だけでなく、主婦連合会が56年東京四谷に設立した主婦会館など、民設・民営もある。指定管理者制度導入により、公設のセンターでも企業やNPO(民間非営利組織)が運営するようになったものもある。2008年には、大阪府立女性総合センター(現・ドーンセンター〔府立男女共同参画・青少年センター〕)の売却を打ち出した橋下徹府知事に対し、市民組織が署名活動などで存続を求める活動を展開。男女共同参画推進のための総合的な施設は、全国で336カ所(09年、内閣府)。