雇用における男女平等の実現を図るために1986年男女雇用機会均等法が施行された。99年の全面的改正を経て、数次に及ぶ改正が行われている。2007年4月施行の主な改正点は、形式上は差別と見えないが結果的に一方の性に不利益となる間接差別禁止、妊娠や出産などを理由とする退職強要や職種・配置転換などの不利益な扱い(マタニティーハラスメント)の禁止、女性だけでなく男性へのセクハラ防止対策の企業への義務づけなど。セクハラ防止策は配慮義務から事業主措置義務へと強化された。改正前も妊娠・出産を理由とする解雇は禁止であったが、正社員でも退職勧奨やパートへ変更させられる実情があり、派遣や契約などの非正社員はなおさらで、雇い止めや更新拒否など不利益な扱いが行われていた。これらの是正が改正の目的の一つ。14年7月施行の改正では、間接差別の範囲が見直され、セクハラ防止対策の対象に同性間セクハラも含まれるようにした。17年1月施行の改正では、マタニティーハラスメントの防止措置が義務化され強化された。