日本の労働力人口の4割以上は女性だが、組織の中で管理的立場にいる女性数はまだ少ない。2014年、日本の民間企業の女性管理職の割合は、係長相当が最も高く16.2%、課長相当は9.2%、部長相当6.0%。徐々に増加はしているが低い数値にとどまっている(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。政府は20年までにこれらの数値を30%にする目標を掲げているが厳しい現状だ。国際的に見ても、アメリカ44%、フランス39%、イギリス34%、ノルウェー32%で、欧米と比較して低い(14年、独立行政法人労働政策研究・研修機構調べ)。女性の能力発揮のためのポジティブ・アクションに取り組む企業は増加傾向ではあるが57.1%にとどまっている(14年、厚生労働省「雇用均等基本調査」)。さらに女性役員ともなると、欧州連合(EU)27カ国の平均12%に対して日本は2.3%と特に少ない(12年、ヌエック)。日本で女性管理職が少ない理由として、仕事と家庭の両立の困難さ、ロールモデルの少なさ、女性の採用数・管理職候補の少なさ、女性のキャリアに対する自覚・責任感の未醸成等があげられる(13年、経済同友会)。なお、13年に来日した、アメリカ、フェイスブック最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグは著書「リーン・イン 女性、仕事、リーダーへの意欲」(13年)の中で、家事・育児をしながら女性リーダーになるための方策を説き、全米でベストセラーとなった。タイトルのLEAN INは、「一歩前へ踏み出す」の意。15年に策定された第4次男女共同参画基本計画では、上場企業役員に占める女性の比率を20年までに10%にするという数値目標が挙げられている。16年、企業の女性役員数は1388人で全体の3.4%。17年、中央省庁勤務の女性国家公務員で課長・室長クラスは4.4%、部長・審議官以上クラスは3.8%で過去最高となった(内閣府)。17年5月には、女性版ダボス会議といわれる「世界女性サミット(GSW ; Global Summit of Women)」の第27回会合が東京で開催された。毎年各国から多くの女性リーダーが集まり、「女性と経済」について語り合う国際会議で、17年は62カ国から約1300人が参加した。