75歳以上の高齢者を対象とする医療制度で、それまでの老人保健制度に代わって2008年4月より実施されている。後期高齢者という用語に対する批判もあって、「長寿医療制度」という呼び方も用いられている。75歳以上の高齢者は、一般の医療保険とは別の独立した後期高齢者医療制度に加入し、その給付費は各自が支払う保険料(1割程度)、医療保険制度からの支援金(4割程度:各保険制度がその加入者に応じて分担)、公費(5割程度:国対都道府県対市町村は4対1対1)で賄われる。受診時の患者負担は、一般は1割、現役並み所得者は3割である。後期高齢者医療制度を運営する主体は、新しく設けられた都道府県を単位とする広域連合(後期高齢者医療広域連合)である。保険料の年金からの天引き、これまで被扶養者であった人からの保険料徴収、診療報酬として新設された終末期相談支援料、75歳という年齢による独立した制度設計などに強い批判が出て、制度発足時から、年金からの天引きの扱い、保険料の軽減措置、終末期相談支援料等の見直し等がなされる異例のスタートとなった。