雇用保険の給付が受けられない失業者が、生活保護を受給しなくても済むように生活を支援するとともに、職業訓練などを通して再就職を支援し、生活再建を助けるための制度。雇用保険でも生活保護でも支援できない失業者を対象とする緊急人材育成支援事業として2009年度に実施されたが、11年には求職者支援制度として恒久制度化されることになった。長引く不況で完全失業率は5%の高水準を維持しているが、失業者の生活を保障し、再就職の準備を支援するはずの雇用保険は、非正規雇用の経験しかない現在の多くの失業者のためにはうまく機能していない。最低生活を保障する最後の手段としての生活保護制度も、こうした失業者が安定した仕事に就くのを助ける制度とはなっていない。そのすき間を埋める役割を持つ第2のセーフティーネットとしての緊急人材育成支援事業の支援制度には、求職者で住宅を喪失または喪失するおそれのある者に対する家賃の補助(住宅支援)、住居を失った者に対する敷金・礼金等の入居費用の貸し付け(入居資金)、公的資金の貸し付け開始までの期間あるいは職業訓練期間中の生活費の貸付・給付(生活資金)、再就職のための職業訓練、カウンセリング・講習、職業紹介等の実施と就職活動費等の貸し付け・給付(就職支援)がある。