2006年4月施行された改正介護保険法により創設された地域密着型サービスのひとつである。主な対象である認知症高齢者が、地域でのそれまでの人間関係や生活環境をできるだけ維持できるようにすることを目的に、「通い」を中心に「訪問」「泊まり」の3種類のサービスを個々人のニーズに合わせて提供する。1事業所あたりの登録定員は25人以下と小規模で、顔なじみの家庭的な雰囲気での運営を基本としている。また、サービスの利用量が増えれば利用者負担が増える居宅サービスとは異なり、月額定額制の利用者負担であるため継続的に安定した利用がしやすいという特徴もある。11年末、厚生労働省は地域の実情に応じてサービスを普及する観点から、サテライト型小規模多機能型居宅介護を創設した。これは、本体事業所(登録定員25人まで)の近距離に最大2カ所までサテライト型事業所(登録定員18人まで)を設けて、複数の事業所間で人材を有効に活用するという制度である。とくに泊まりと訪問のサービスを効率的に提供できるようにする。12年度の介護報酬改定に盛り込まれ、12年4月から施行される。