現代医療でも治癒できない末期がん患者などに対して、単に延命を図るだけではなく、患者の苦痛を緩和するとともに、死の不安や恐怖を和らげ、その人らしい生をまっとうすることができるように精神的な支援をするケアのこと。ターミナルケアを専門に行う施設は、国際的にホスピス(Hospice)と呼ばれる。日本の医療施設では、一定の基準を満たした緩和ケア病棟が、ターミナルケアとしての医療保険適用を受けている。また、近年では、在宅のターミナルケアも一部の地域で取り組まれている。2014年11月現在、全国で321病院、6421病床がその適用を受けている。なお、08年4月から施行された後期高齢者医療(長寿医療制度)は、あらたな診療報酬として終末期相談支援料を設けたが、野党や一部の患者団体から「患者が望む延命治療を医療費抑制のために打ち切ることをねらっている」との批判を受け、同年6月に急きょ「当面凍結」、「速やかに必要な措置をとる」ことを決めた。