赤ちゃんからお年寄りまで、また障害の有無にかかわらず利用できるケアのこと。公的なケアサービスは、高齢者、障害者、児童ごとに縦割りの制度・行政によって別々に提供されてきた。共生ケアは、この弊害を越えることを目指した新しいタイプのケア。1993年、富山県に開所した「このゆびとーまれ」というデイサービス施設がモデル。特徴は、(1)年齢のいかん、障害の有無を越えて誰でもが利用し交流し合える、(2)定員5人から15人程度の小規模で家庭的な雰囲気があり、(3)気軽に立ち寄れる身近な場所で、地域でのふれあい、助け合いの拠点となることにある。2003年から「富山型デイサービス推進特区」の指定を受けた場合は、介護保険上の指定通所介護事業所での障害者(児)のデイサービスの利用が可能になった。06年4月に施行された改正介護保険法により創設された小規模多機能型居宅介護は、共生ケアの良さを取り入れようとしたが、高齢者を中心にした介護保険の枠組みを越えることはできていない。