老年期の認知症の一種で、アルツハイマー型認知症についで多い。レビー小体とは、異常なたんぱく質が脳の神経細胞にたまったもので、主に脳幹に現れると運動障害を主症状とするパーキンソン病になり、さらに大脳皮質にまで広く及ぶとレビー小体型認知症となる。ただし、原因は十分にわかっていない。主な症状は、(1)とくに初期の場合、もの忘れとともに具体性のある幻視(ネズミが動き回っている、子どもがベッドの上にいるなど)が見られる。(2)日や時間帯によって、頭がはっきりしている状態とぼんやりしている状態が入れ代わり起こる。(3)パーキンソン病に似た小股歩行、手足や筋肉のこわばり、動きの鈍さ、無表情などの身体症状が見られる。(4)自律神経の障害として、便秘や尿失禁などとともに、起立性低血圧症状(立ち上がった時に血圧が大幅に低下)も見られる。主な治療は、抗精神病薬による精神症状のコントロール、運動症状に対する抗パーキンソン病薬、自律神経障害に対する血圧コントロールなどである。日本では、約50万人の患者がいると推計されている。男性は、女性より約2倍多い。