国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するために新設される犯罪(2007年臨時国会で法案は継続審議)。法定刑の上限が4年以上の犯罪を、組織の活動として組織的に実行することを共謀した者は、共同正犯に関する原則と異なり犯罪実行前に処罰できる。組織の不正権益獲得等の目的で同じ犯罪を共謀した者も同様。適用範囲が広すぎるという批判に応えて、共謀の対象となる犯罪を限定する修正案が自民党で検討されている。同一法案には、情報処理の高度化に伴う犯罪に対処し、サイバー犯罪に関する条約締結に伴い、電磁的記録に係る記録媒体に対する収集手続きの規定等を整備するための刑事訴訟法の改正が含まれている。重要な情報(電磁的記録)が差し押さえるべきコンピューターに接続された他の場所(ネットワークに接続されたサーバー内の記憶装置等)に存在する場合に、捜査機関がその情報を当該コンピューターあるいは他の記録媒体に複写しまたは電磁的記録の保管者等に印刷・複写させて差し押さえること、処分を受ける者にコンピューター操作等の協力要請をなすことを認め、さらに裁判所の令状なしに捜査機関がプロバイダー等に電子メールの送信元、送信先、通信日時などを特定した上で最長90日間、その通信履歴を消去しないように要請すること(保全要請)等を認める。