自民党が安全保障体制の見直しを求めて制定を目指している法案の仮称。政府・自民党は政権奪還後の2012年12月、安全保障体制の見直しに着手した。その1つである国家安全保障基本法案の骨子には、教育、科学技術、建設、運輸、通信などの分野で安全保障上必要な配慮をすること、安全を確保する上で秘密保護のため法律や制度上必要な措置を講じること、世界全体の核兵器を含む軍縮に努力するなどに加え、国連憲章に定められた集団的自衛権の行使を一部可能にすることが含まれる。憲法学者の多くは自衛隊が憲法に違反とすると考えている。にもかかわらず、政府は自衛隊を合憲としてきた。自衛隊は必要最小限度の実力と捉えるのがその論拠である。ところが、集団的自衛権は自国が攻撃を受けたわけでもないのに、自衛隊が他国で実力行使することを認める考え方である。自国が攻撃されていないのに実力を行使することはもはや、必要最小限度の範囲を超える。したがって、国家安全保障基本法のような法律を作っても、現行憲法の下で集団的自衛権を認めることはできない。それには憲法改正が必要である。