選挙区割り調整において、定数増の選挙区を0、定数減の選挙区を5とする公職選挙法の改正案。国政選挙は公職選挙法上の定数配分規定、すなわち選挙区割りに基づいて行われるが、人口移動等で区割り間の投票価値が不平等になると、その配分を見直さなければならない。従来からその調整は、有権者数の少ない選挙区の定数を減らし、多い選挙区の定数を増やす方法をとってきた。衆院選における0増5減案は2012年11月16日に成立したが、区割りの線引き作業は間に合わずに解散総選挙が行われた。もっとも、11年3月の最高裁判決が違憲状態と判断して国会に是正を求めたのは、選挙区割りの線引きをやり直すような微調整ではない。投票価値の平等を実現する際にボトルネックになっている1人別枠方式を改めるように求めているのである。1人別枠方式とは、全都道府県にまず定数1を割り振り、残りの定員を人口比例で各選挙区に割り振る区割りの方式であるが、この方法だと、有権者数の少ない県にも必ず定員1が割り振られるため、不平等状態が解消されることはないのである。