関西テレビは2007年1月20日、情報番組「発掘!あるある大事典II」で1月7日に放送した納豆のダイエット効果を扱った「納豆を食べてダイエットできる」で、番組の7カ所に実験データのねつ造があったことを発表し、原因究明のための調査委員会を設置した。この番組は同社と制作会社「日本テレワーク」の共同制作で、「発掘!あるある大事典」は1996年10月に始まり、「発掘!あるある大事典II」に引き継がれた人気番組であった。この時間枠は79年の「花王名人劇場」時代から「花王」の一社提供で続いてきたが、ねつ造発覚を受けて「花王」はスポンサーを降りた。1月23日、関西テレビはこの番組の放送打ち切りと、社長以下制作局長などの処分を発表した。2月7日、関西テレビは総務省に対して社内調査で判明した事実関係などを報告したが、総務省は結果不十分として再度報告を求めた。関西テレビが設置した外部調査委員会はねつ造のあった番組は納豆を扱った番組を含めて8番組、不適切な表現があった番組が8番組と報告した。3月27日、日本民間放送連盟(民放連)は関西テレビを除名した。「あるある大事典」ねつ造事件は、事実に対する厳格な姿勢を欠き、当事者意識が希薄な制作会社の実態、制作会社におけるコンプライアンス(法令順守)への取り組みの低さなど、テレビ界における番組制作に対する倫理観の喪失を浮き彫りにするとともに、総務省のチェックなど行政が介入するすきを与えたものとして、放送界に衝撃を与えた。事件を受けて、NHKと民放連は第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」に独自の自浄力を発揮する機関として「放送倫理検証委員会」を設置した。さらに関西テレビのねつ造問題に刺激されて、他のキー局各局でも、訂正やおわびが相次いだ。TBSは2007年1月3日放送の情報バラエティー番組「人間!これでいいのだ」で取材、表現上に不適切な点があったこと、テレビ東京は同年1月6日放送の健康情報番組「今年こそキレイになってやる!正月太り解消大作戦」で偽りの映像を流したこと、日本テレビはバラエティー番組「行列のできる法律相談所」で漬物店のホームページに掲載されていた写真を無断で使用した疑いがあるなどである。08年10月27日、民放連は関西テレビの再発防止や社の再生に対する努力を評価し、同社の全面復帰を認めた。