2012年3月末から毎週金曜日の夜、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に抗議する人たちが首相官邸前を中心に永田町から霞ヶ関一帯を埋めるようになっている。このデモを主催する首都圏反原発連合によると、12年夏の最盛期には、毎週10万から20万の人々を動員し、11月末から12月初めではもっとも少なく5千人ほどであった。自民党に政権が交代した13年1月11日におけるこの年最初のデモでは1万3千人集まったという。このデモの特徴は、ツイッターやフェイスブックで情報を知って首相官邸前に集まった人たちで、それぞれ自発的に参加し、午後8時になると自然に解散するという点にある。いままでのデモが労働組合など組織的動員によって行われていたのに対して、市民による自主参加とインターネットを媒介にした情報のやり取りによって、毎週違った人々が思い思いに集合してデモを行う点が注目される。国民の間に浸透した原発への関心の強さを示すとともに、ソーシャルメディアを通しての動員力を示す点で注目されている。