主に産業部門の各業界団体が、その業種での環境保全を促進するため、自主的に策定した環境行動計画。1997年6月、日本経済団体連合会(当時、経済団体連合会)傘下の36業種、137団体が参加して策定され、2008年5月現在、61業種までに拡大し、民生業務部門も含まれている。温暖化部門の具体的な目標は、「2010年度に産業部門およびエネルギー転換部門からの二酸化炭素(CO2)排出量を1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」というもの。日本が京都議定書の削減約束を達成するための基本方針を示した京都議定書目標達成計画では、この計画を「産業・エネルギー転換部門での温暖化防止対策の中心的役割を果たすもの」と位置付け、計画の透明性・信頼性・目標達成の確実性を向上させるために、関係審議会で定期的な追跡調査を行うことを求めている。計画は一定の成果をあげているが、(1)業種ごとに目標の種類が異なること、(2)個別業種と経団連統一目標が乖離(かいり)していること、(3)計画の統一目標と国の目標が乖離していること、(4)対象業種の拡大が必要なこと、(5)業務・運輸部門での取り組みの強化が必要なこと、など様々な問題が指摘されている。さらに透明性の確保や第三者評価の質の向上を図るとともに、政府との協定の形で責任を明確にする必要性も議論されている。