世界の森林面積は約39億ha(全陸地面積の約30%)を占めるが、1990年代に約9400万haが失われ、特に熱帯林は年平均1420万haが失われた。熱帯林には世界の野生生物の約半分が生息し、遺伝子資源の宝庫でもあるが、その消失により多くの野生生物が絶滅の危機に瀕している。ロシア極東地域などの森林減少も顕著。92年の地球サミットで森林原則声明が採択され、持続可能な森林経営が提唱されたが、森林に関する国際的枠組みは合意されていない。世界的な森林減少とグリーン・コンシューマリズムの高まりを背景に生まれたのが、(1)森林認証と(2)ラベリング制度。(1)は、独立の第三者機関が、適切な森林経営や持続可能な森林経営が行われている森林や経営組織などを、一定の基準に基づき認証する制度。(2)は、認証された森林から生産されたことを消費者に示すために、木材・木材製品にラベルを貼付する制度。いずれも消費者に環境配慮型購買行動を促すことを通じて、持続可能な森林経営を促す。認証制度には世界規模の森林管理協議会(FSC Forest Stewardship Council)や日本の緑の循環認証会議(SGEC Sustainable Green Ecosystem Council)がある。