1968年、カネミ倉庫社の米ぬか油製造工場で熱媒体に使われていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が食用油に混入し、全国で約1万4000人が皮膚炎や内臓疾患を訴えた日本最大の食品公害。認定患者は累計約1900人。PCBが加熱されてできるダイオキシン類の一種、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)の血中濃度が油症患者では高いことがわかり、厚生労働省はPCDFを含むダイオキシン類の血中濃度が高ければ認定するとして、2004年9月に基準値を定めた。PCDF濃度が血中の脂肪1g当たり30pg(ピコグラム=1兆分の1g)以上であることが一つの目安となる。未認定患者に認定の道を開くとともに、カネミ油症がダイオキシン類の被害であることを改めて示した。