経済協力開発機構(OECD)の定義では、大気中に微量に存在する気体状、エアロゾル状または粒子状の汚染物質で、人の健康、植物または動物にとって有害な特性を持つもの。ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど。ただし、古くから規制の対象になっている窒素酸化物や硫黄酸化物などの大気汚染物質とは区別して用いる。大気中の濃度は微量で急性毒性はみられないが、長期間さらされることによって健康への影響が懸念される。環境省は、中央環境審議会答申「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について」(2000年12月)と、経済産業省化学品審議会報告「自主管理による有害大気汚染物質対策の評価と今後のあり方について」(同)に基づき、高濃度の地域では新たに地域単位の排出抑制の取り組みを促すなどの対策を講じるとしている。