改正大気汚染防止法で始まった、揮発性有機化合物(VOC)排出量の規制。2006年4月施行。VOC(volatile organic compounds)は常温で揮発しやすい有機化合物で、塗料や接着剤の溶剤となるトルエン、キシレン、洗浄剤のトリクロロエチレンなどが代表的。総排出量の8~9割が塗装や印刷・自動車・化学工場、半導体洗浄施設などの固定発生源から出る。大気汚染や健康被害の原因物質とされるが、四大大気汚染物質(SPM、NOX、SOX、VOC)では唯一、規制がなかった。改正大気汚染防止法では、年間排出量50t以上の施設を対象に、VOC吸着装置設置などを義務付け、排出濃度などを規制する。規制により、年間約150万tの排出量のうち約1割を削減できるとみられる。