自動車の排ガスで健康被害を受けたとして、東京都内のぜんそく患者らが国や都、首都高速道路公団(現、首都高速道路株式会社)、ディーゼル自動車メーカー7社などに大気汚染物質の排出差し止めと損害賠償を求めた訴訟。大気汚染をめぐって自動車メーカーが被告となったのは初めて。原告団は第1次提訴(1996年5月)から第6次提訴(2006年3月)まで、計633人(うち108人死亡)。07年8月、東京高等裁判所、東京地方裁判所で和解が成立した。和解内容の柱は、(1)国、都、首都高、メーカーの資金拠出による医療費全額助成制度の都による創設、(2)国、都、首都高による道路環境改善などの公害対策、(3)メーカーから原告への解決一時金計12億円の支払い、(4)和解条項の円滑な実施に向けた連絡会設置。公害対策としては、渋滞解消のバイパス整備や沿道緑化、大気汚染観測局の増設などが盛り込まれた。